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論文

Evaluation of temporal changes in fracture transmissivity in an excavation damaged zone after backfilling a gallery excavated in mudstone

青柳 和平; 石井 英一

Environmental Earth Sciences, 83(3), p.98_1 - 98_15, 2024/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Environmental Sciences)

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、坑道掘削損傷領域の透水性の経時変化の予測が、掘削損傷領域内部の割れ目を介した放射性核種の移行特性の評価の信頼性向上において重要となる。特に人工バリア定置後の緩衝材の膨潤圧発生に伴う割れ目の透水性の変化を検討することを目的として、幌延深地層研究センターにおいて実施している実規模の人工バリア性能確認試験領域付近で4年間透水試験を実施した。試験の結果、透水性は時間とともに低下し、膨潤から4年経過した時点で、試験開始時よりも透水性が41%に低下することが確認された。さらに、Barton-Bandisのモデルを適用することにより、膨潤圧の変化に伴う透水性の低下挙動を定量的に再現することができた。割れ目の閉塞の妥当性については、人工バリア性能確認試験実施領域で実施した弾性波トモグラフィ調査において、特に底盤部分の弾性波速度の増大が見られたことから確認することができた。これらの結果から、人工バリアの膨潤に伴う掘削損傷割れ目の閉塞について、実証することができた。また、地層処分事業において、廃棄体定置後の緩衝材の膨潤による掘削損傷割れ目の透水性の事前予測に際してBarton-Bandisモデルの適用可能性が示された。

論文

モンモリロナイトの膨潤挙動に及ぼす層間対イオンの影響; 分子動力学シミュレーションによる支配因子の評価

四辻 健治*; 舘 幸男; 佐久間 博*; 河村 雄行*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 29(2), p.63 - 81, 2022/12

放射性廃棄物の処分システムにおいて、粘土鉱物を主体とするベントナイトの物理的・化学的挙動を予測するうえで、モンモリロナイトの膨潤現象を理解することは重要である。本論文では、異なる層間対イオンを有するモンモリロナイト層間の結晶膨潤挙動を支配する因子を、分子動力学(molecular dynamics: MD)シミュレーションによって調査した。MDシミュレーションと分析試験の結果の比較から、5種類の単一イオン型(Na$$^{-}$$, K$$^{-}$$, Cs$$^{-}$$, Ca$$^{-}$$, Sr$$^{-}$$)のモンモリロナイト層間への水分子吸着量は、層間対イオンの水和数および層間対イオンの外圏・内圏錯体の差異に強く依存していることが確認された。また、これらの結果のより詳細な分析から、層間における対イオンの水和数は、対イオンの水和自由エネルギー、体積および対イオンの分布状態により決まることが示された。さらに、仮想的に対イオンのパラメータを変動させたMDシミュレーションの結果から、層間対イオンの水和自由エネルギーと電荷とが影響因子として競合することにより外圏錯体率が支配されていることが明らかになった。これらの結果から得られた影響因子を含む経験式によって、層間対イオンの異なるモンモリロナイト層間の膨潤挙動を定量的に予測することが可能となる。

論文

膨潤圧試験中のベントナイトの膨潤圧変化に与える吸水圧縮挙動の影響

高山 裕介; 佐藤 大介*; 菊池 広人*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 29(2), p.101 - 111, 2022/12

放射性廃棄物の地層処分施設の緩衝材への利用が検討されているベントナイトの膨潤特性を把握するために実施される膨潤圧試験では、給水開始後の時間経過とともに単調に膨潤圧が増加する場合以外にも、一度増加した後に低下する場合など様々な結果が報告されている。本研究では、複数の異なる初期含水比の供試体を用いて膨潤圧試験を実施し、試験中のX線CT測定により、膨潤圧が単調に増加する場合および一時的に低下する場合における供試体内部の湿潤密度分布の時間変化を把握した。その結果、吸水圧縮挙動の発生の有無やその大小が膨潤圧の経時変化の形状に影響を与えることを明らかにした。具体的には、膨潤圧試験において供試体内部での吸水圧縮による変形量が大きいほど試験途中における膨潤圧の一時的な低下量が大きく、吸水圧縮による変形が生じない場合は単調に増加するものと推測された。

論文

X線CT測定による膨潤圧試験中のベントナイトの吸水圧縮挙動の観察

高山 裕介; 菊池 広人*

土木学会論文集,C(地圏工学)(インターネット), 77(3), p.302 - 313, 2021/09

放射性廃棄物の地層処分施設の緩衝材への利用が検討されているベントナイトの膨潤特性を把握するため、これまでに数多くの膨潤圧試験が実施されてきた。本研究では、膨潤圧試験でしばしば観測される飽和に至るまでの過程で一度膨潤圧が低下する現象の原因を明らかにするため、X線CT測定による膨潤圧試験中の供試体内部の観察により、膨潤圧の経時変化と供試体の状態変遷の関係の把握を行った。その結果、膨潤圧が一度低下する期間において、供試体内部で吸水圧縮挙動が生じていることが観測され、これにより膨潤圧が低下したものと推測された。さらに、複数の異なる荷重条件に対して膨潤変形試験を実施した結果、膨潤圧と同等からやや小さい荷重条件においても、飽和に至る過程で圧縮挙動が生じることが確認された。これらの試験データは、再冠水時の処分施設の力学的な状態変遷を評価するための連成解析コードの検証のためのデータとしての活用が期待される。

論文

Constitutive modeling for compacted bentonite buffer materials as unsaturated and saturated porous media

高山 裕介; 橘 伸也*; 飯塚 敦*; 河井 克之*; 小林 一三*

Soils and Foundations, 57(1), p.80 - 91, 2017/02

 被引用回数:11 パーセンタイル:48.47(Engineering, Geological)

ベントナイトは著しい膨潤特性と難透水性を有する材料であり、放射性廃棄物の処分施設において緩衝材としての利用が想定されている。処分施設の長期にわたる力学挙動を評価するには、ベントナイトの力学挙動を表現できる構成モデルの開発が必要である。本研究では、ベントナイトを、「飽和の程度により力学特性が変化していく材料」と捉え、不飽和ベントナイトの弾塑性構成モデルを提案した。本提案モデルでは、膨潤指数および負のダイレイタンシーの表現式を飽和度の関数として表現し、さまざまなベントナイト材料に適用できるようにモンモリロナイト含有率を入力パラメータとして用いている。さらに、提案モデルにより膨潤圧試験と膨潤量試験のシミュレーションを実施した結果、ベントナイトの力学挙動を再現できることが確認された。

論文

孔径を自由に変えることができる温度応答性分離多孔膜の開発; 目的物質を選択分離する高機能膜の作製と応用性

浅野 雅春; 吉田 勝

工業材料, 52(12), p.65 - 69, 2004/12

イオン照射・エッチング処理技術により得られた円柱状の貫通孔を持つ穿孔膜表面と孔壁面に、温度に応答して伸縮するゲル層を放射線グラフト重合によって導入し、温度変化に追従させてゲル層厚(孔径)を制御することで、目的物質を選択的に分離できる温度応答性多孔膜を開発した。エチレングリコールビスアリルカーボネートに基づく基材フイルム(50$$mu$$m厚)に6.19MeV/nのエネルギーを持つ$$^{84}$$LiKrイオンを1$$times$$10$$^{7}$$Li ions/cm$$^{2}$$Liのフルエンスで照射し、次いで6M NaOH水溶液に浸漬し60$$^{circ}$$Cで所定時間エッチングを行い、1.3$$mu$$m径の円柱状貫通孔からなるイオン穿孔膜を作製した。次いで、アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)水溶液にイオン穿孔膜を浸漬し、$$^{60}$$LiCo線源からの$$gamma$$線を30kGy照射することで、イオン穿孔膜にA-ProOMeに基づくポリマーゲルを重量で1.1%化学修飾した。この膜の温度による孔のon-offスイッチング機能を知るため、0.1M KCl水溶液中、0$$^{circ}$$Cと30$$^{circ}$$Cの間で電流値を測定したところ、温度と孔のサイズの変化に追従して電流値は可逆的に応答することがわかった。

論文

架橋フッ素高分子電解質膜

八巻 徹也; 浅野 雅春; 吉田 勝

工業材料, 51(4), p.39 - 42, 2003/04

放射線架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に放射線グラフト重合を応用することによって高分子電解質膜を作製する技術を開発した。架橋PTFE膜は、$$gamma$$線をアルゴンガス雰囲気,340$$pm$$5 $$^{circ}C$$の温度で、60~320kGy照射して得た。この架橋膜に、アルゴンガス雰囲気、室温で$$gamma$$線を前照射することによりラジカルを生成させた後、60$$^{circ}C$$でスチレンを後グラフトした。最後に、グラフトされたポリスチレン鎖をクロルスルホン酸でスルホン化し、イオン交換基(スルホン酸基)を基材に導入した。合成した電解質膜のイオン交換容量は0.7~3meq/gで、従来膜ナフィオンの0.9~1.1meq/gよりはるかに高く、しかも広範囲で変化させることが可能であった。また、アルコールに対しては、ナフィオンが大きな膨潤性を示すのとは対照的に、われわれの電解質膜では膨潤し難く安定であることが確認できた。今後は、ポリスチレンのような炭化水素からなる側鎖の代わりに、フッ素系モノマーをグラフト重合し、燃料電池膜としての耐久性の向上を狙っている。

論文

放射線架橋技術を利用したフッ素系高分子電解質膜の開発

吉田 勝; 八巻 徹也

最新燃料電池部材; その最先端技術と信頼性評価, p.82 - 92, 2003/00

最近、われわれは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に放射線で架橋構造を付与し、それに放射線グラフト重合を応用することにより、高性能の燃料電池用高分子電解質膜を作製することに成功した。すなわち、架橋PTFE膜にスチレンをグラフトした後、グラフト鎖をスルホン化したところ、従来膜ナフィオンを凌駕するイオン交換能,膨潤特性を付与することができたのである。これが世界初の「架橋」フッ素高分子電解質膜であり、しかもその作製プロセスが極めて簡便であることは特筆に値する。本稿では、はじめに本技術のポイントとなる放射線架橋の基礎を概説し、次にPTFE架橋技術と架橋PTFE膜を基材とした電解質膜の合成法について述べ、最後に新たな放射線利用にかかわる研究としてわれわれの有するイオンビーム微細加工技術とその応用について紹介する。

論文

放射線でつくる架橋フッ素高分子電解質膜

八巻 徹也; 吉田 勝

図解,燃料電池のすべて, p.117 - 119, 2003/00

機械的強度,耐熱性,耐薬品性に優れたフッ素樹脂を架橋すると、これらの諸特性がさらに向上するので、さまざまな用途を持つ材料として応用価値が高くなる。1990年代のはじめに、それまで放射線分解型の高分子であると信じられてきたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、結晶融点(327$$^{circ}$$C)以上という特殊な環境下で放射線照射したときのみ、架橋することが発見された。架橋フッ素高分子電解質膜の合成は、この架橋PTFEのシート(厚さ50$$sim$$100ミクロン)に放射線を照射して、非常に反応しやすい部位(ラジカル)を内部にまで均一につくり、これにスチレンなどの芳香族ビニル化合物を付加重合させた後にスルホン酸基をつけることで行う。得られた電解質膜のイオン交換容量は0.7$$sim$$3ミリ当量/gで、現在使われているパーフルオロスルホン酸膜の0.9$$sim$$1.1ミリ当量/gよりはるかに高い値である。また、アルコール-水混合液中では、架橋構造を持たない従来の電解質膜と比較して、膨潤し難く寸法安定性に優れていることが確認されている。このことから、架橋PTFEからなる電解質膜では、メタノールの透過が大幅に抑制されると考えられる。

報告書

熱-水-応力-化学連成挙動研究の現状と今後の計画

伊藤 彰; 川上 進; 油井 三和

JNC TN8400 2001-028, 38 Pages, 2002/01

JNC-TN8400-2001-028.pdf:2.35MB

高レベル放射性廃棄物地層処分における処分場閉鎖後のニアフィールドの挙動は、廃棄体からの放熱、地下処分施設の再冠水、緩衝材の膨潤および変質など、熱的、水理学的、力学的、化学的なプロセスの複合現象として取り扱う必要がある。本研究は、地層処分システムにおいて想定される熱-水-応力-化学(THMC)連成挙動の予測を行うための現象理解に基づく数値解析システムを構築し、様々な地質環境条件に対するニアフィールドの熱、水、応力、化学場の長期的変遷を数値実験により予測することを目的とするものである。THMC連成解析コードの開発にあたっては、1.開発期間が複数年となること、2.既存ツールを用いた連成解析コードを構築し、数値解析の実現可能性を確かめる必要があることから、開発ステップを3段階に設定し、平成13年度に開発をスタートしている。本報告は、このTHMC連成解析コード開発計画のうち、1)開発ステップ1のTHMC連成解析コード開発、2)ベントナイト中の物質移行経路、3)THMC連成解析コードの並列化に関する検討結果を取りまとめたものである。

論文

Effects of irradiation temperature on swelling and shrinking kinetics of thermo-responsive gels prepared by radiation-induced polymerization

廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*

Polymer, 42(15), p.6403 - 6408, 2001/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:38.19(Polymer Science)

$$gamma$$線照射時の温度及び照射線量を細かく制御して合成したアクリロイル-L-プロリンメチルエステルゲルの膨潤-収縮速度を比較検討した。0$$^{circ}C$$と40$$^{circ}C$$の間の温度変化に伴うゲルの膨潤収縮速度は、ゲル化時の温度に大きく影響されることを見いだした。膨潤状態から収縮平衡に達するのに、LCSTより低温側で合成したゲルでは6時間、高温側で合成したゲルでは1分であることがわかった。また、SEMによる内部構造観察から、LCSTより低温側で合成したゲルは、収縮過程においてゲル表面を形成することがわかった。それに対し、高温側で合成したゲルは被覆を形成せず、多孔構造を保持していた。この被覆の存在がゲルの収縮速度を低下したと考えられる。ゲル化温度がLCSTより低温側では、ポリマー鎖が伸びた状態で架橋するのに対し、高温側では糸繭状態で架橋する。この差異が、ゲルの架橋構造を均一・不均一にし、被膜の形成を引き起こしたと推察される。

論文

生分解性ハイドロゲル; セルロース/デンプン誘導体のペースト状放射線照射による新規橋かけ技術

吉井 文男

水, (612), p.16 - 22, 2001/06

ハイドロゲルは多量に水を含んだ親水性ポリマーからなる。紙オムツなどの水吸収体はハイドロゲルからできている。生分解性ハイドロゲルは使用後コンポスト化により処分でき、土に還元できる循環型の材料として注目されている。セルロース及びデンプンは水との親和性の良い材料であるが、放射線により分解するため、橋かけによる改質は困難とされてきた。本稿では、これを克服し高濃度ペースト状照射により、橋かけが起こることを見いだした。橋かけ挙動、ハイドロゲルの膨潤特性、橋かけ後の生分解性について述べる。

報告書

Evaluation of Coupled Thermo-Hydro-Mechanical Phenomena in the Near Field for Geological Disposal of High-Level Radioactive waste

千々松 正和*; 藤田 朝雄; 杉田 裕; 谷口 航

JNC TN8400 2000-008, 339 Pages, 2000/01

JNC-TN8400-2000-008.pdf:30.96MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における廃棄体定置後のニアフィールドでは、廃棄体からの放熱、周辺岩盤から人工バリアへの地下水の浸入、地下水の浸入による緩衝材の膨潤圧の発生、周辺岩盤の応力変化などの現象が相互に影響することが予想される。このような、熱-水-応力連成現象を評価することは、ニアフィールド環境の明確化の観点から重要な課題の一つである。熱-水-応力連成現象を明らかにするためには、まず個々の現象に関わるメカニズムを明らかにする必要がある。そのため、不飽和ベントナイトの伝熱特性、浸潤特性、膨潤特性等に関する各種要素試験が実施されている。また、熱-水-応力連成現象を実際に観測し、どのような現象が発生しているのか把握する必要もある。そのため、熱-水-応力連成現象に関する工学規模室内試験および原位置試験等が実施されている。さらに、熱-水-応力連成現象を評価するためのモデルも同時に開発されており、工学規模室内試験および原位置試験等を用いて、モデルの妥当性および適用性の検討が実施されている。本報告では、これら熱-水-応力連成モデルの開発に関する一連の検討結果を示す。本報告の構成は以下の通りである。第1章では、高レベル放射性廃棄物の地層処分における熱-水-応力連成評価の必要性について示す。第2章では、熱-水-応力連成解析評価に必要な岩石および緩衝材粘土の物性値取得に関する室内試験結果を示す。試験対象は釜石鉱山とし、岩石に関する試験は釜石鉱山で採取された供試体を用い、粘土に関してはベントナイト単体(クニゲルV1,OT-9607)およびベントナイトとケイ砂の混合体を対象とした。第3章では、原位置における岩盤物性試験の結果を示す。原位置試験は釜石鉱山における試験坑道内で実施した。実施した試験は、亀裂特性調査、透水試験、試験坑道床盤に掘削した試験孔内への湧水量の測定である。第4章では、室内および原位置試験で得られた岩盤物性値を用い、第3章で示した試験孔内への湧水量の解析評価を行なった。解析は連続体モデルおよび不連続体モデルの両者を用い実施した。第5章では、釜石鉱山で実施した熱-水-応力連成試験結果を示す。直径1.7m,深さ5.0mの試験孔を坑道床盤に掘削し、試験孔内に緩衝材および発熱体を設置し、連成試験を開始した。連成試験としては、発熱体の加熱を行なう加熱試験を約260日間、発熱体停

報告書

人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性評価

青柳 孝義*; 三原 守弘; 田中 益弘*; 奥津 一夫*

JNC TN8400 99-058, 55 Pages, 1999/11

JNC-TN8400-99-058.pdf:6.84MB

TRU廃棄物処分施設内に定置される廃棄体には、廃棄体自身に空隙を有するものがある。また、セメント系材料が候補材料となるコンクリートピットや充填材においてもそれらの成分溶出に伴う空隙発生が想定される。これらの空隙が潰れ緩衝材(ベントナイト)内部に体積変化(減少)が生じた場合、ベントナイトの膨潤にともなうベントナイトの密度の低下、すなわち透水性の増大によって、あるいは十分な膨潤が得られないことによる空隙の不完全閉塞によって、ベントナイト中での拡散支配が担保されないことが考えられる。そこで本研究では、保守的な想定のもとにベントナイト内部の体積変化について解析を行うとともに、ベントナイトの自己シール性、最大膨潤率、密度分布変化について実験を行い、体積変化に対する人工バリアシステムの健全性評価を行った。評価に先立ち、発生する空隙を保守的な想定に基づいて算出した。この値を用いて緩衝材が均一に膨潤して閉塞すると想定した場合の緩衝材の密度を求め、ベントナイトの密度と透水係数の関係を示す既存の研究成果から得られる透水係数により、既存の人工バリア仕様の場合は、緩衝材内部において拡散支配と成り得ることを確かめた。次に上記の保守的な空隙を想定した場合、拡散支配を維持するのに必要な透水係数が実際のベントナイトの膨潤において担保されるかを確認するための試験を行った。その結果、Na型ベントナイトでは、拡散支配を担保するのに十分な膨潤性能を確認することができた。しかし、Ca型化ベントナイトでは、Na型ベントナイトに比してその膨潤性能は1/6以下と大きく低下し、本研究で想定した空隙量に基づいた場合、透水係数の増加により拡散支配が担保されず、処分システムに影響を及ぼす可能性があることがわかった。今回の検討結果より、今後も体積変化に対する人工バリアシステムの健全性能評価について、その対処方法や評価方法の検討を行う必要があると考えられる。

報告書

ニアフィールドの長期構造安定性評価

高治 一彦; 杉野 弘幸

JNC TN8400 99-043, 52 Pages, 1999/11

JNC-TN8400-99-043.pdf:5.2MB

処分場地下施設の建設時には、坑道の掘削にともなって岩盤に応力再分配が起こる。また、オーバーパックおよび緩衝材の定置後から、緩衝材の膨潤、オーバーパックの自重沈下、腐食膨張変形、岩盤のクリープ変形等が発生し、それらの現象が相互に作用することにより、緩衝材や坑道周辺岩盤の応力状態が経時的に変化することが考えられる。これらの応力状態の変化が緩衝材、岩盤に与える影響を確認することが安全評価上、また人工バリアの仕様設定上重要であることから、緩衝材、岩盤の安定性に影響を与える可能性のある種々の現象に対して、経時変化や相互作用の程度を把握するために、岩盤クリープ挙動、オーバーパックの腐食膨張による緩衝材におよぼす力学的な影響、オーバーパックの自重による沈下挙動について、各現象の相互作用を考慮しながら個別に解析を実施し、長期構造力学安定性を検討、評価した。その結果、基本ケースとした硬岩系岩盤、軟岩系岩盤については、岩の強度、坑道内部の充填物(ベントナイト)の強度、側圧係数等によって、クリープ変形挙動や応力状態の経時変化、ゆるみ領域の拡大する範囲等が異なることが分かった。また、緩衝材の力学的挙動にはオーバーパックの腐食膨張が支配的であり、オーバーパックの自重沈下や基本ケースとした硬岩系岩盤や軟岩系岩盤のクリープ変形はほとんど影響しなかった。また、オーバーパックの腐食膨張によって、緩衝材はオーバーパック周辺のごく限られた部分が限界状態に近い値を示したが、全体的には安定した状態であることが分かった。

報告書

TRU廃棄物の処分概念の検討,3 (研究概要)

深沢 栄造*; 田中 益弘*; 山本 博之*; 平 和男*; 山本 正明*; 奥津 一夫*; 羽根 幸司*; 青柳 孝義*; 森川 誠司*; 古市 光昭*

PNC TJ1100 98-007, 60 Pages, 1998/02

PNC-TJ1100-98-007.pdf:4.47MB

TRU廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と比較して発生量が多いが、発熱性があるものが少ないため、深地層中に大空洞を掘削して処分することが合理的である。またTRU廃棄物は、半減期が十万年以上の核種を含有するため、長期間にわたりこれを人間環境から隔離することが要求される。本研究では処分システムの長期健全性に係わる重要事象の検討と、大空洞処分技術の開発、及び設計研究を実施した。本年度の研究成果を以下に示す。1)平成7年度及び8年度に抽出・検討した事象について、漏れがないことを他研究の成果を踏まえて再検討した上で事象を整理した。また抽出された各事象に対する現状の知見、設計の考え方、課題・対応を整理し、今後の検討の方向性を明確にすることができた。2)人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性評価の一環として、人工バリア材料のうち、ベントナイトの周辺に空隙が発生したことを想定し、飽和ベントナイトの自己シール状況の把握と止水機能の確認及び体積変化後の密度分布変化を調べた。また、自己シール性確認実験を補完することを目的に飽和ベントナイト試料に対する膨潤試験を行った。これらの結果を基に、人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性の評価を行った。3)処分システム閉鎖直後の状態を想定し、不飽和状態における底部ベントナイト層の変形挙動ならびに支持力評価を行った。また、平成7年度に実施した飽和状態における変形挙動に関しても再検討を行った。4)平成8年度の委託研究で調査した「大久保モデル」を用いて試解析を実施し、大空洞の処分システム成立性の見通しを検討した。5)ナトリウム型ベントナイト単体、カルシウム型に変質させたベントナイト単体、天然のカルシウム型ベントナイト単体およびカルシウム型に変質させたベントナイトにケイ砂を混合した材料に対し、飽和水酸化カルシウム水溶液を通水させた系で膨潤圧、透水係数を試験により取得した。6)これまで処分システム設計で考慮しているいくつかの処分方式に対し、数値解析法により空洞の安定性を評価した。解析結果により得られる変形、緩み領域を用いて構造的安定性の評価を行うことができた。

報告書

TRU廃棄物の処分概念の検討,3 (研究委託内容報告書)

深沢 栄造*; 田中 益弘*; 山本 博之*; 平 和男*; 山本 正明*; 奥津 一夫*; 羽根 幸司*; 青柳 孝義*; 森川 誠司*; 古市 光昭*

PNC TJ1100 98-006, 434 Pages, 1998/02

PNC-TJ1100-98-006.pdf:59.14MB

TRU廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と比較して発生量が多いが、発熱性があるものが少ないため、深地層中に大空洞を掘削して処分することが合理的である。またTRU廃棄物は、半減期が十万年以上の核種を含有するため、長期間にわたりこれを人間環境から隔離することが要求される。本研究では処分システムの長期健全性に係わる重要事象の検討と、大空洞処分技術の開発、及び設計研究を実施した。本年度の研究成果を以下に示す。1)平成7年度及び8年度に抽出・検討した事象について、漏れがないことを他研究の成果を踏まえて再検討した上で事象を整理した。また抽出された各事象に対する現状の知見、設計の考え方、課題・対応を整理し、今後の検討の方向性を明確にすることができた。2)人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性評価の一環として、人工バリア材料のうち、ベントナイトの周辺に空隙が発生したことを想定し、飽和ベントナイトの自己シール状況の把握と止水機能の確認及び体積変化後の密度分布変化を調べた。また、自己シール性確認実験を補完することを目的に飽和ベントナイト試料に対する膨潤試験を行った。これらの結果を基に、人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性の評価を行った。3)処分システム閉鎖直後の状態を想定し、不飽和状態における底部ベントナイト層の変形挙動ならびに支持力評価を行った。また、平成7年度に実施した飽和状態における変形挙動に関しても再検討を行った。4)平成8年度の委託研究で調査した「大久保モデル」を用いて試解析を実施し、大空洞の処分システム成立性の見通しを検討した。5)ナトリウム型ベントナイト単体、カルシウム型に変質させたベントナイト単体、天然のカルシウム型ベントナイト単体およびカルシウム型に変質させたベントナイトにケイ砂を混合した材料に対し、飽和水酸化カルシウム水溶液を通水させた系で膨潤圧、透水係数を試験により取得した。6)これまで処分システム設計で考慮しているいくつかの処分方式に対し、数値解析法により空洞の安定性を評価した。解析結果により得られる変形、緩み領域を用いて構造的安定性の評価を行うことができた。

報告書

釜石鉱山における粘土充填・熱負荷試験(II)

茂呂 吉司*; OANH T D P*; 雨宮 清*

PNC TJ1412 97-001, 605 Pages, 1997/03

PNC-TJ1412-97-001.pdf:22.07MB

放射性廃棄物の地層処分においては緩衝材とその周辺岩盤に、廃棄体から発生する熱による力学・透水特性の変化、地下水の侵入による伝熱・力学特性の変化、緩衝材の膨潤、岩盤の変形による伝熱・透水特性の変化等が相互に複合して生じる。このため、人工バリア及びその周辺岩盤の伝熱特性、力学的挙動、水理特性等を評価するためには、これらの熱-水-応力連成現象を解析するモデル、コードの開発・確証が必要である。釜石鉱山においては、白亜紀初期の花崗岩中で原位置試験が進められてきた。本試験はその1つとして、熱-水-応力連成概念モデルを確立し、数学モデルとコンピューターコードを確証する目的で平成6年度に開始された。試験は、試験坑道掘削、岩の特性調査、試験ピット掘削、ベントナイトの埋設と連成試験の5段階に分かれている。昨年度までに、発破工法によって試験坑道掘削、14本の試錐と各種計測機器の埋設、大口径ボーリングによるピット掘削と岩盤挙動計測などが終了した。本年度は、試験ピット内に緩衝材を原位置締固め方式で施工し、同時に、緩衝材中に発熱体と熱-水-応力連成現象を観察する各種計測器を埋設したので報告する。

報告書

人工バリア材の変質に関する研究(研究委託内容報告書)

not registered

PNC TJ1201 97-001, 264 Pages, 1997/03

PNC-TJ1201-97-001.pdf:23.64MB

本研究は、1)高pHの原因となるセメントの改良を行ってpHを下げる研究と2)セメントの高pHがベントナイトに与える影響の研究に大別される。特にセメントに関しては、本年度は、昨年度実施した化学的見地からの研究を進めて施工性や強度面を重視した実用性中心の研究を行った。本年度の研究を通じて得られた成果を以下に示す。1)に関して1)フライアッシュと普通ポルトランドセメントさらにシリカフュームを加えたセメントによって水和反応が修了した時点でのセメント間隙水のPHを11.0以下にできるセメントのプレンドが可能である。またこのセメントは、施工可能な強度を有し、流動性にも優れている。2)セメントの実用化試験においてシリカフュームを高含有したセメントは、セメント間隙水のpHを低くできるが混練性や流動性が悪く、高性能AE減水剤を多量に添加してもその性能は改善しない。3)高炉スラグを添加したセメントは、初期強度が高く施工性には優れたいるが初期pHが12.0以上あって高い。リーチング試験においてその低下する速度は、普通ポルトランドセメントと大差はない。4)フライアッシュを高含有したセメントは、初期強度が低い。水セメント比を下げて高強度化を図ることによって改善はできるが、限界があるので使用部位を検討する必要がある。セメントの組成を早強型に変更することで初期強度の確保ができる可能性がある。2)に関して1)ベントナイトの溶解速度を検討するために、NaOH水溶液を反応溶液とした試験を行った。その結果、ベントナイトの溶出はpH 11.0ではわずかであるがpHが高くなるにともなって増大している。溶出は2次反応と考えられるが、現状では明らかになっていない。2)変質生成物を検討するための試験は、Ca(OH)2水溶液に加え、Ca(OH)"にNaとKを混合した反応溶液についても試験を行ったが、いずれの場合も生成物はCSHでありNaとKの有無による明確な差異は認められなかった。

報告書

人工バリア健全性試験設備の設計研究(概要)

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PNC TJ1162 97-002, 91 Pages, 1997/02

PNC-TJ1162-97-002.pdf:5.4MB

高レベル放射性廃棄物処分場閉鎖後において人工バリアを形成する緩衝材にはオーバーパックの腐食膨張等による外力が長期間作用すると考えられる。これらの外力に対する緩衝材の力学的変形挙動を明らかにするためには、実験的研究と解析的研究を比較することにより、人工バリアの力学的健全性の評価を行う必要がある。本研究の目的は、模型試験を実施することにより、効果的に人工バリアの腐食膨張による力学変形挙動を調べるための、試験手法の事前検討をふまえた装置の設計、および実現象を想定した予備解析である。まず、模型形状の選定を行った結果、全体モデルと2次元平面ひずみモデルが有効であると考え、これに対し強制変位速度の検討、計測項目・計測方法の選定、および緩衝材設置手法確立のための検討等を行った。また、解析的研究として実際の処分場を想定したオーバーパックの腐食膨張について解析手法の検討および実現象の解析を行った結果、オーバーパック周辺部を中心に塑性領域が広がることが確認できた。

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